成田良悟氏コメント
舞台化! 舞台化です!
『デュラララ!!』のアニメ放映からもうすぐ10年というこの時期、新たな形のメディアミックスが生まれる事となり感慨深いです。『デュラララ!!×2』の放映が各国配信でとても好調だった事や、映像ソフト、グッズ、そして原作小説やコミカライズと言ったものを様々な形で応援して下さったファンの皆さんのおかげです! 本当にありがとうございます!
高校の時演劇部だった私からすれば、舞台化というものに対しては、アニメや漫画とは別の様々な感情が浮かび上がります。
最初に話を聞いた時は驚き、果たして『デュラララ!!』を舞台にできるのだろうかと思いましたが、演出家が多くの特撮作品や舞台の『黒執事』の舞台などを手がけたベテラン演出家の毛利さんであり、脚本がなんとアニメシリーズでもお世話になった高木さんに決まったという話を頂きまして、「これは凄いものが出来そうだ」と今から観客の一人としてワクワクしております……!
皆さんともこの感覚が共有できますよう、公開となる2020年の春までに明かされていく追加情報を楽しみにお待ち頂ければ幸いです!
サイモン・ブレジネフのキャラクタービジュアルについて
日頃より舞台「デュラララ!!」を応援いただきまして誠にありがとうございます。
今回の舞台化にあたりキャラクタービジュアルについて主催と原作の成田良悟先生とで協議を行い、作品の世界観を大切にしながらも役者本人の持つ個性も尊重する形で決定いたしました。
生身の俳優が演じることで作り上げられていく舞台版「デュラララ!!」をお楽しみいただけますと幸いです。
舞台「デュラララ!!」製作委員会
原作者・成田良悟 コメント
ありがたい事に、「デュラララ!!」は海外でも広く小説やアニメが翻訳されており、多くの国で展開させて頂いている作品となりました。
多くの国籍や人種の方々に届く時代にあたり、この舞台もより多くの方々に楽しんで頂けるよう、スタッフ・キャストの皆さんも日々研鑽を続けておられます。
舞台化にあたり、原作小説においてアフリカ系ロシア人であるサイモンの肌の色をどうするか、という話を聞かれた時、私は
「『デュラララ!!』のストーリーにおいて、育った環境や友人関係がストーリーと関わる事はありますが、今回の舞台のストーリー上、生まれ持った身体的特徴や民族性がストーリーと深く関わるキャラクターは、デュラハンという種族であるセルティ・ストゥルルソンのみです(平和島静雄の怪力は後天的なものです)。
サイモンの重要な点は人種ではなく『ロシアから来た』という経歴ですので、サイモンを日本人の方が演じる事についても問題ありませんし、逆に言うとどのような国籍・人種の方が演じて頂いても問題ないものと考えております。
故に、サイモンを演じて下さる役者さんの肌の色をメイクによって小説やアニメのキャラクターに合わせる必要はございません」
と自分の考えを述べさせて頂きました。
もちろんこれは、「デュラララ!!」以外の様々な舞台の演出や役者の方々に押しつける意見ではありません。あくまで私個人の意見として回答させて頂き、それを反映して頂いた形となります。
肌を敢えて濃く塗るメイクをブラックフェイスとして快く思わない方が存在する一方で、肌の色を変更することをいわゆるホワイトウォッシュだという声があるのも事実です。しかし、この私個人のコメントの背景には、その両方の意味合いなどは一切無いという事はお伝えしておきます。
仮に海外に舞台「デュラララ!!」が広く展開した場合、日本人のキャラクターを演じる事に国籍人種民族を問う事はありませんし、原作では黒髪のキャラクターを演じるからと言って、必ずしも髪の毛を黒く染める必要はありません(コスプレなどで敢えて染めたいという方のお気持ちを否定するものでもありません)。
「デュラララ!!」という物語の本質として大事にして頂きたいのは、キャラクターが作品に至るまでに――そして作品の中でもリアルタイムで積み上げられていく心の繋がりですので、何卒ファンの皆様には御理解頂ければ幸いです。
成田良悟